リラクセーションテクニック(ベーシックバージョン)

1.オリエンテーション

これからリラクセーショングループを始めます。今日のスタッフは私○○と○○です。よろしくお願いします。グループ中に困ったこと聞きたいことなどあったらスタッフに声をかけて下さい。
このグループではストレッチを中心に行いながら心と身体のリラックスをしていきます。心と身体はとても密接に関係しています。例えば、気持ちが緊張している時はいつのまにか肩に力が入っていたり、身体が緊張していると気持ちも硬くなったりというのを経験したことのある方もいると思います。まずはストレッチで身体をほぐすことで気持ちもリラックスしていこうと思います。そして、このグループは自分のペースで利用してください。途中疲れたら休んでも、抜けても、また途中で戻ってきても、見学のみでもかまいません。
今日グループで行ったものの中で自分に合ったリラックス方法があったら持ちかえって、自分の生活に取り入れていただけたらと思います。


2.リラクセーションストレッチ

それでは始めていきたいと思います。ストレッチを行っていく時にあぐらが一番やりやすいかと思いますが、 あぐらが苦手な方は「グラグラしない座り方」なら座りやすい座り方で結構です。
ストレッチを行っていく時にいくつかポイントがあるんですが、まず1つ目が「ゆっくりと深い呼吸」をしながら行うことです。皆さんでやってみましょう。それではまず、ゆっくりと口から全部息を吐き出します。そしてゆっくりと鼻から息を吸い込みます。繰り返します。いつもの自分の呼吸よりゆったりと深い呼吸です。この呼吸を続けながらストレッチを行っていきます。もし、鼻がつまっている方や口で息するのが苦しい方は口だけや鼻だけで呼吸をしても構いません。
それではゆっくりと首を回していきます。ゆっくり大きく、頭のてっぺんで円を描くように。首や肩、凝っていませんか?心や体の調子はどうですか?少し自分の心や身体に耳を傾けて見て下さい。反対回しもします。
ハイ結構です。首から順々に伸ばしていきます。では次は首の後ろを伸ばします。頭の後ろで手を組んで、手の重みを利用しながらゆっくりと首を前に倒します。無理をせずに、痛みのない所で止めてください。「伸びて気持ち良いなぁ」という程度の所で止めるのが2つ目のポイントです。ハイゆっくり戻 します。
次は背中の後ろで手を組みます。口は少し開けたまま上を向きます。首の前側が「伸びて気持ち良いなぁ」というのを感じてください。自分の身体の「ここが伸びているなぁ」というのを意識しながら伸ばしていくのが3つ目のポイントです。ハイゆっくりと戻します。(もう一度前屈、後屈)
そのまま次は、首を横に倒します。そのまま反対側です。ハイ結構です。それではもう一度首をゆっ くりと回します。また大きくゆっくり。反対回しもします。ハイ結構です。
首の次は肩をほぐしていきます。肩を大きく回していきます。痛くない程度に大きく。肘から回すと 肩甲骨まで良くほぐせます。ハイ結構です。
次は左手を御自分の身体の前に横に持ってきます。そして反対の手で下から抑えます。息を止めるほど頑張っていませんか?ゆったりとした呼吸を続けながら行ってください。ハイ手を替えます。 今度は右手を御自分の前に。反対の手で下から抑えます。ハイ結構です。
今度は左手を上に。反対の手でつかんだら少し横に引っ張ります。わき腹から肩にかけて伸びているのが分かりますか?痛みがある方は無理せず、少し前のほうに引っ張っても構いません。ハイ、一度腕を下ろして反対です。右手を上に。反対の手でつかんだら少し引っ張ります。
(メンバーの身体の硬さを取りたい時、緊張をほぐしたい時:
・からだの後ろで手を組みます。組んだ手をグゥッと後ろに引っ張りながら、胸を反らせます。そして力を抜きます。
・今度は前で手を組んで、その手を前に伸ばして背中を丸めていきます。そして力を抜きます。
・次は組んだ手を上に伸ばします。上から引っ張られるように。 そして一気に力を抜きます。力を抜く時に息も一気に吐き出しましょう。それではもう一度。グゥッと上に引っ張られます。そして息を吸い込んで。吐き出します。)
次は肘から手首にかけて伸ばしていきます。右手を前に左手で手前に引っ張ります。このままだと 重たいので膝の上に置いて下さい。ハイ、手を替えます。左手を前に右手で手前に引っ張ります。 腕のどこが伸びていますか?「伸びて気持ち良いなぁ」というのを感じてください。
次は今と反対側を伸ばします。右手を前に。そのまま下に向けたら左手で手前に引っ張ります。 ハイ手を替えます。左手を前に。そのまま下に向けたら手前に引っ張ります。
次は指に行きます。左手を出してください。親指を右手で握ったら反対の方に引っ張ります。指の関節は細いので優しく行ってください。ハイ、人差し指も同じように右手で握ったら、手の甲側に引っ 張ります。中指。(小指まで順に)ハイ、手を替えます。右手の親指を左手で握ったら引っ張ります。 人差し指(小指まで順に)ハイ結構です。
腕が終わったので体の方に行きますね。じゅうたんに手をついて、その手を滑らせながら体を伸ばしていきます。息を止めずに痛くない所で止めてください。ハイゆっくりと戻します。
今度は腰を伸ばします。御自分の右後ろを振りかえりながら、左手で右足を抑えます。そして、腰がひねられて気持ち良いなという所で止めてください。ハイ、そのまま左後ろを振りかえりながら、 右手で左足を抑えます。
ハイ、次は足に移ります。足の裏と裏を合わせて座れますか?股関節が痛いという方は足を体から離して、痛くない方は近づけてください。足を両手で持って、背筋を伸ばします。そのまま体を倒します。股関節が「伸びて気持ち良いなぁ」という所で、ゆっくり呼吸を続けてください。ハイ、ゆっくりと戻します。
そのまま片足だけ伸ばします。伸ばした方の足に体を倒します。手が足首に届かなくても、痛みがある方は膝が少し曲がっていても結構です。この辺だと伸びて気持ち良いなという所がわかったら、反対の手をつけていきます。息を止めてふんばらないで下さい。ハイ、足を替えます。またこの辺が伸びて気持ち良い程度だなというところが分かったら反対の手をつけていきます。ハイ結構です。
今度は両足を伸ばして座ります。手で体を支えてください。足がつらない様に気を付けながら、つま先を向こう側に倒します。この時足のすね側や足の甲が伸びているのが分かりますか?
次につま先を御自分の方に向けます。この時、ふくらはぎがじわぁっと伸びますよね。これを御自分のペースで向こうに倒したり、御自分の方に向けたりして下さい。テンポ良くやってもゆっくりやっても構いませんが、「ここが伸びているんだな」というのを感じながら行ってください。ハイ結構です。
次はそのまま、足の指を握ったり、開いたりします。これも御自分のペースで行ってください。


3.つぼ押し・身体確認

それでは足の裏のつぼを押していきます。足の裏はいろんなつぼが集まっているところですよね。指先で押してみて気持ちよい感覚を味わってみてください。片足終わったら、反対の足もします。足の裏が終わった方はふくらはぎやももも軽くマッサージします。片足終わったら反対の足も行ってください。それではマッサージが終わった方から御自分の後ろのスペースを確認して少し横になりましょう。
横になったら両手は御自分の体の横にゆったりと置いてください。そしてずっとやっていたゆったりとした呼吸を確認していきましょう。ゆっくりと息を吐き出します。そしてゆっくりと息を吸い込みます。繰り返します。ゆったり深い呼吸ですが、自分が楽なペースを見つけてください。そして、体の中の空気の入れ替えをしていきます。新鮮な空気をどんどん吸って。古い空気と一緒に体の中のイライラやモヤモヤ、体の凝りなんかを外に吐き出します。ひと呼吸ごとに新鮮な空気が体の隅々に広がっていきます。そして古い空気が体の中のいらないものを取り込んで体の外に出ていきます。
体の中の空気の入れ替えが大体終わった所で、両手を頭の方に持っていきます。指のお腹で優しく頭をマッサージしていきます。頭の疲れもほぐしてあげましょう。生え際やこめかみも。おでこや目の周り。目も疲れていませんか?優しくいたわって下さい。鼻の周りや口の周り。自分のほほ。全部自分の大切な顔です。優しくいたわって下さい。そしてその他に御自分の体でいたわってあげたい所がありますか?そこにそっと手を当てたり、軽くマッサージしてみたりして下さい。


4.イメージ導入

そしてマッサージが終わったら自分が楽な姿勢で横になってください。膝を立てて寝ても良いし、横向きで丸まっても良いです。自分の楽な姿勢で横になってください。そして、目を閉じている方はそのまま、目を閉じるのが怖い方は開けたままで結構です。少しの間休みたいと思います。こんな風に横になってゆっくりと休めそうだなあという場所がありますか?たとえば、広い草原にゆったり横になるのはどうでしょう?柔らかい草があなたのからだの下に広がっています。優しい風があなたの体をなでていきます。その風の匂いを吸い込んで見ましょう。草の香りがするかもしれないし、どこかに咲く花の香りがするかもしれない。耳を澄ましてみると草が風にゆれる音がするかもしれないし、遠くで鳴く鳥の声がするかもしれない。青空に浮かんだ雲が太陽の光を少し遮ってくれていて、あなたが休むのにちょうど良いくらいの光があなたを包んでいます。その草原ではゆっくりと休むことが出来ます。後でちゃんと起こします。それまでゆっくり休んでください。


5.マッサージ

そろそろその草原からこの部屋に戻ってきます。まだ横になったままで結構です。少し名残惜しいなあという方がいるかもしれませんがそろそろ準備を始めてください。スタッフが皆さんが起きるのをお手伝いしに行きます。スタッフが起こしに行くと、気持ちよく目が開いてこの部屋に戻ってきます。それまでこのお部屋に戻ってくる準備を始めていてください。(一人ずつ起こし、肩のマッサージを行う。)


6.終結のためのリラクセーションストレッチ

おはようございます。少しずつ体を起こしていきたいと思います。ゆっくりと首を回します。起きたばかりなのでびっくりさせないようにゆっくりと。一周したら反対です。そのまま、体も一緒に少し回します。グループが始まる前より心と 体がリラックスできたでしょうか?もう一度御自分の心と体に耳を傾けてみてください。
ハイ結構です。次は手を組んで上に伸びます。そして力を抜きます。もう一度。手が上から引っ張られます。そして力を抜きます。
あと他に伸ばしたいところがありますか?そこを伸ばしていきます。
最後に呼吸を整えます。ゆっくり息を吸い込みます。息を吸うと背筋が上に引っ張られます。そしてゆっくりと出来るだけ少しずつ吐き出します。もう一度。背筋が引っ張られながら息を吸います。そして出きるだけゆっくり吐き出します。最後に思いっきり吸いこんで。そして出来るだけ少しずつ吐き出します。
今日のリラクセーショングループはこれで終わります。ずっと座っていたり、横になっていたりしたので、立ちあがるときには立ちくらみなどに注意して立ちあがって下さい。それではありがとうございました。